Rudesheim, Germany -1st Roll-
ドイツ滞在3日目。
当初の予定ではハイデルベルグへと向かうつもりだったが、天候の関係で翌日の予定を前倒すことに。
行き先はその美しさから「ラインの真珠」と呼ばれる風光明媚な街、リューデスハイム。
フランクフルトからの直行列車に乗れば1時間ほどで着くようだが、折角なので少し手前のビンゲン駅で降り、ライン川を航行するクルーズ船で有名なローレライを見てから向かうことにした。
曇り気味の天気のせいか、まだ10月だというのに風が冷たくかなり寒い。
コートでも持ってこれば良かったと後悔しつつ、早足で乗船所へと急ぐ。
乗船場の正面は葡萄畑になっていた。
"ROSENECK"というこの畑は比較的雪解けが早く、この辺りでも有数の畑だそう。
ほぼ定刻通りに船が到着。
船内はカフェのようになっていて、軽い食事ができる。
この辺りの名物である"Rüdesheimer Kaffee"という、ブランデーをコーヒーで割って生クリームをたっぷり盛り付けた飲み物と定番のカリーブルストを頂いた。
岸にはライン川の源流となるボーデン湖岸の街、コンスタンツからの距離を示す数字が標されている。
左上に建っているのはグーテンフェルス城という古城。
1889年から92年の歳月をかけて修復され、現在はホテルとなっている。
岸壁をくりぬいて作られたトンネル。
雄大な自然とそこに生きる人々の営みに感動する。
ビンゲンより乗船しておよそ1時間。
船が急カーブに差し掛かると、巨大な岩山が顔を覗かせた。
高さ約130mにも及ぶ切り立った岩壁、ローレライ。
この辺りは急カーブで川幅が狭まる上に川底には岩礁があり、船の転覆事故が絶えない難所だったという。
このことから「不実な恋人に絶望しライン川に身を投げた乙女の精霊が船乗りを惑わし、川底へと連れて行ってしまう」という伝承が生まれた。
この巨大な岩壁の全景を切り取るには50mmの画角は少々狭かったが、硬質な岩肌の質感を捉えることができた。
ローレライを見るという目的は果たせたので最寄りのザンクト・ゴアールで下船し、引き返す。
時刻は12時ちょうど。
少しお腹が空いていたが、20分後の船を逃すと次の便は2時間後になるらしい。
昼食は船の中でとることに決め、乗船所の近くをぶらぶらして待つことに。
少し寂れた雰囲気だが悪くない。
奥の方まで歩いて路地をスナップしたかったが、乗り過ごすと大変なので我慢。
今度は先ほどより大きな船が到着。
ゲーテ号と呼ばれる外輪蒸気船で人気があるらしい。
どこから乗ってきたのだろうか、人の数も多く、船上は観光客で賑わっていた。
ビンゲンからザンクト・ゴアールまでは1時間強だったので遅くとも14:00にはリューデスハイムに着けるかと思ったのだが、一向に到着しない。
街が見えてくる頃、すでに時刻は15時を回っていた。